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VOL.1 音楽の都ウィーン!

6月に入り、ウィーンでは爽やかで気持ちの良い日が続いています。ウィーンで暮らしていて良いことの一つは梅雨がないことでしょう。日中は30度を超えることもあるのですが、湿気がないので、とても過ごしやすいです。現在、期間限定でウィーンに住んでおりますので、今月からウィーンでの日々の様子を毎月お伝えしていきたいと思っています。初回の今月は、やはりウィーンといえば音楽の都なので、音楽について書きたいと思います。

 

ウィーンでは、9月から6月までのシーズン中、夜な夜なあちこちで名演奏が繰り広げられますが、季節が良くなってきた今、コンサートシーズンも終盤を迎えています。
ウィーンに行くことが決まり、知り合いにそのことを伝えると、ニューイヤーコンサートのテレビ中継でお姿を拝見するのを楽しみにしています、と言われることがありました。その時は私ものんきに、あの有名なニューイヤーコンサートに滞在中1度くらい行ってみたいと思っていたのですが、このチケット、なんと毎年抽選で、世界中から数万件もの応募が殺到するようですから、まず手に入るわけがありません。
また、ウィーンに行けばウィーンフィルが聞けるものと単純に思っていたところ、ウィーンフィルの定期演奏会のチケットは一般発売されるものではなく、定期会員の人たちに割り当てられるもので、入手困難だということも、ウィーンに来てから知りました。なお、定期会員になるのは十数年待ちだそうです。
ただ、チケットが一般発売されるコンサートも年に数回ありますし、定期会員がキャンセルしたチケットがウィーンフィルのチケットオフィスで販売されることもありますので、それなりに聴くチャンスはあります。

 

ウィーンには素晴らしいホールが幾つかありますが、ニューイヤーコンサートで有名な楽友協会(のだめカンタービレにも出てきました)は、1870年、皇帝フランツ・ヨーゼフの時代に建てられました。ホールの上方部には窓があり、明るい日差しが差し込みます。
今の季節、日没が遅いので、コンサート中に空が暮れなずみ、刻々と光の加減が変化していく様子は、舞台で奏でられている美しい音楽と相まって、本当に幻想的です。楽友協会大ホールは、Golden Saalという名の通りの黄金色のきらびやかで美しい壁や天井の装飾、コンサート中も照明を落とさない明るい客席、コンサートホールには珍しい立見席など、ハプスブルク帝政時代の面影をそこここに感じることができます。
当時は貴族たちが社交の場として音楽を楽しんだのだろうか、そして、庶民は立ち見席でしか見ることができなかったのだろうか、などハプスブルク帝国の時代に想いを馳せながらクラシック音楽に浸るのも面白いかもしれません。

 

楽友協会

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