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色彩のみからなる商標の登録が認められました

2017/7/12
弁護士 川端 さとみ

先日(2月28日)付けで、特許庁は、色彩のみからなる商標について、2件の登録を認める旨の判断をしました。認められたのは、トンボ鉛筆の消しゴムの青白黒の3色からなる図柄とセブンーイレブン・ジャパンのオレンジ、緑、赤の縞模様です。

トンボ鉛筆の消しゴムの青白黒の3色からなる図柄とセブンーイレブン・ジャパンのオレンジ、緑、赤の縞模様

特許庁は、平成27年4月1日から色彩のみからなる商標や音商標等5つの新しいタイプの商標の受付を開始しました。平成29年2月20日現在で、例えば音商標は517件の出願中110件について登録がなされていますし(有名なところでは久光製薬のヒ・サ・ミ・ツ♪)、動き商標、位置商標、ホログラム商標についてもすでに何件も登録商標があります。しかしながら、色彩のみからなる商標についてのみ、492件も出願されているにもかかわらず、なかなか登録が認められず、制度が形骸化してしまうのではといった懸念もあった中で、初めて今回の2件について登録査定となりました。女性用ハイヒール靴今回認められた2件は、複数の色の組み合わせ商標ですが、単色でも出願は可能です。例えば、NTTドコモや赤いきつねで有名な東洋水産がそれぞれ指定役務「移動体電話による通信」他や指定商品「カップ入り即席うどんの麺」で赤色のみの商標出願をしていますし、仏靴ブランドのクリスチャン・ルブタンは女性用ハイヒール靴の靴底部分に付した赤色について商標出願しています。なお、米国では、以前から新しいタイプの商標が保護されており、クリスチャン・ルブタンの上記色彩商標も登録されています。日本ではどうなるでしょうか。単色の商標登録はなかなかハードルが高そうですが、今後の動向に注目したいと思います。

弁護士 川端 さとみ 弁護士

川端 さとみ

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弁護士
小松法律特許事務所

平成16年弁護士登録(日本)、平成22年米国ニューヨーク州弁護士の資格を取得し、特許・商標等の知的財産権に関する案件、国際取引等クロスボーダー案件、民事再生や破産等の倒産事件、一般民事等幅広い案件を取り扱う。

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