その他
おいしい儲け話にはご用心
2017/8/10
弁護士 高尾 慎一郎
テレビなどで、「おいしい投資話に騙された」などというニュースに触れると、「なぜそんなものに騙されるのか。おいしい儲け話などあるはずがない。」と思われるでしょう。しかし、敵も然る者、詐欺的取引は、手を変え品を変え、皆様のところに迫ってきます。
詐欺的取引には、いわゆる「流行り」があります。10年ほど前には、未公開株詐欺が流行っていました。上場はしていないが誰もが知っている有名企業の名前を出し、「○○社の株が近いうちに上場される。上場されたら値が高騰する。今なら安く買えます。」といったものです。
最近の流行りは、「レンタルオーナー商法」でしょう。業者から電話があったり、訪問を受けたりして、「元本保証」「高配当」を謳い、レンタルオーナーになりませんか、と勧誘してきます。具体的な契約内容は、@消費者が業者から商品を購入する、A消費者が、購入した商品を業者にレンタルする、B一定期間経過後、業者がその商品を消費者から買い取る、というものです。しかしながら、実際にその商品の存在を確認することは困難であり、業者がその商品を購入していないこともよくあります。
また、「仮想通貨で儲かる」といった手口も聞くようになってきました。世間で話題のものを取り入れるのが詐欺的業者の手口なのです。
詐欺的業者の場合、新たに消費者を騙して得たお金を、先に契約した消費者に配当として支払うという「自転車操業」をしており、早晩、破綻します。そうすると、投資したお金を取り戻すことは極めて困難になります。
働き盛りの経営者の皆様は騙されないかもしれません。しかし、皆様のお父様、お母様はどうでしょうか。ご高齢ではないですか?
このような投資被害に遭う人の多くは高齢者です。定期的にご家族と連絡を取るなどして、投資被害を未然に防ぐようにしてください。また、投資被害に遭った高齢者を責めないでください。高齢のお父様、お母様は、子供に責められるのが一番辛いのです。責められると、本当のことが言いにくくなり、被害回復にますます支障が出るのです。
万が一、被害に遭った場合には、すぐに弁護士に相談するか、お近くの消費生活センターに駆け込んでください。詐欺業者の逃げ足は速いです。被害回復するためにはスピードが不可欠です。